成人スティル病について

不明熱の鑑別疾患の一つ、成人スティル病

 不明熱の患者を診療する機会も多いと思います。成人スティル病も不明熱の鑑別疾患の一つです。私が最初に自分で診察したのは津軽半島の小さな診療所です。急性期の診断はインフルエンザで、後に成人スティル病の診断となりました。この疾患は診断基準などを参考にしますが、大基準に含まれるような関節症状、皮疹、白血球上昇などがはっきりしないと診断は難しいです。皮疹は一般に一過性で、高熱が出現したときにはじめて気づかれることもあります。診察時には症状や所見が無くても、後で顕在化することがあるので、注意深いフォローが必要となります。多くの疾患を除外する必要もあり、多角的な思考プロセスが要求される、まさに臨床能力が試される疾患です。

<診断基準>

Definiteを対象とする。

Yamaguchiらの分類基準(1992年)
A: 大項目 
1)39℃以上の発熱が1週間以上続く
2)関節症状が2週間以上続く
3)定型的な皮膚発疹
4)80%以上の好中球増加を伴う白血球増多(10000/mm3以上)
B: 小項目 
1)咽頭痛
2)リンパ節腫脹あるいは脾腫
3)肝機能障害
4)リウマトイド因子陰性及び抗核抗体陰性
C: 除外項目 
1)感染症(特に敗血症、伝染性単核球症)
2)悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫)
3)膠原病(特に結節性多発動脈炎、悪性関節リウマチ)
※16歳未満の症例に対しても上記診断基準は適用される
<診断のカテゴリー>
Definite:Aの2項目以上を満たし、かつAとBを合わせて5項目以上に該当し、かつCを除外したもの。
(成人スチル病 難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jp/entry/282)

参考文献

  1. 難病情報センター. 成人スチル病(指定難病54). https://www.nanbyou.or.jp/entry/282
  2. 成人スティル病:Adult onset Still disease (AOSD). ROCKY NOTE. https://rockynote.com/adult-onset-still-disease/
  3. 成人スティル病に対するIL-18の検査特性. ROCKYNOTE. https://rockynote.com/diagnostic-accuracy-of-il-18-for-adult-still-disease/

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