市中肺炎とステロイド

市中肺炎にステロイドは投与していい?

 おそらく、市中肺炎でステロイドをルーチンに使用することは無いと思います。アメリカ感染症学会・アメリカ胸部学会のガイドラインでは敗血症性ショックを合併した市中肺炎(CAP)患者において、ステロイドが予後を改善させるものの、非重症CAP 患者ではルーチンでステロイドを投与しないことを強く推奨しています。また、日本呼吸器学会の成人肺炎診療ガイドライン2017では、CAP 患者にステロイドを投与しないことを弱く推奨するが、重症CAP患者に対しては投与することを弱く推奨するとしています。

 肺炎治療におけるステロイドの役割として、免疫抑制作用だけでなく、解熱および全身状態の改善、ガス交換能の改善、線維化抑制、抗ショック作用、過剰なサイトカインの産生抑制などをイメージすると良いと思います。

 状況によりますが、標準的な治療に加えるなら、ステロイドはそれほど悪くない選択肢です。特に、重症の症例ほどリスクをベネフィットが上回る可能性が高いと思われます。“軽症では推奨されないが、重症であれば検討する”というコンセンサスのなかで、ケースバイケースで決めるしかありませんが、使い方次第でとてもポテンシャルのある薬剤と思います。

参考文献

  1. Stern A, Skalsky K, Avni T, Carrara E, Leibovici L, Paul M. Corticosteroids for pneumonia. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Dec 13;12(12):CD007720. doi: 10.1002/14651858.CD007720.pub3.
  2. Huang J, Guo J, Li H, Huang W, Zhang T. Efficacy and safety of adjunctive corticosteroids therapy for patients with severe community-acquired pneumonia: A systematic review and meta-analysis. Medicine (Baltimore). 2019 Mar;98(13):e14636. doi: 10.1097/MD.0000000000014636.
  3. 市中肺炎に対するステロイドの効果. ROCKY NOTE. https://rockynote.com/effects-of-steroids-on-cap/

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